総選挙2017-2


AKB総選挙の取材をしたのは6回目。今回が最もスリリングだった。当初は山本彩や柏木由紀が出馬を辞退したので、どうなることやらと思っていたが、終わってみれば、過去にない深い爪痕をこの胸に残した。

 これは前回のコラムに記したが、まず速報発表での荻野由佳の1位が全くの予想外だった。しかし、その驚きはほんの助走に過ぎなかった。開票イベント開催前日のイベント中止の決定。悪天候は予想できないこともなかったが、実際にそれが現実になってみると、事の重大さに直面した。1万人が開票を生で見ることができなくなった。この日を楽しみに過ごしてきた人たちの落胆、無念、怒りはさぞや大きかったに違いない。

 テレビ中継への影響も心配された。過去に無観客で開票が行われた総選挙はなかった。メンバーが開票結果を受けてステージでどんなスピーチをしようと会場の反応がない。中継を盛り上げるためにはメンバー同士が大きな声を出し続けるしかなかった。ところが、本番になってみると、公民館という狭い空間がメンバーの緊張を保ち続けるのには有効だった。テレビを見ていないので中継の詳細は分からないが、少なくとも現場では、無観客の弊害をほとんど感じなかった。なんとか盛り上げようとするメンバーたちの必死さが光った。

 須藤凜々花の結婚発表は、アイドル史に残る出来事だった。結婚のために引退したアイドルの例はあるが、全国に中継されるステージで結婚発表したアイドルの記憶はない。批判はたくさんある。須藤の順位を押し上げるために大金をはたいたファンの気持ちはどうなるのか。その胸の痛みは計り知れない。ただ、須藤はもともと学力が高く、哲学に関する本も出版した人だ。あの場でああいう発言をすることのリスクは当然考えたに違いない。それでも発表に踏み切った。その覚悟、思いの強さ、特異性に驚嘆するばかりだ。とんでもないアイドルがいたものだと思う。その後の会見で話した「我慢できる恋愛は恋愛じゃない」という言葉もなかなか胸に響くものだった。

 須藤の衝撃の陰に隠れる形になってしまったが、渡辺麻友の卒業発表のインパクトも決して弱くはない・・・

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