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◆仕事がずっとあるわけではないことへの不安

――国民的グループにいたときと卒業してからの違いとは? 葛藤などもあった?

松井玲奈 グループのときは、年間の予定が大体見えていたので、いつライブやイベントがあって、いつCDをリリースしてという“一年間”を把握できました。でも、卒業してからは、お仕事がずっとあるわけではなくて。
ここまではお仕事があるけど、ここから先は決まっていないという状態になったりしたときに、「大丈夫かな?」って不安になったり、戸惑いもありました。でも、自分ががんばれば、新しい出逢いや縁ができて、お仕事が決まったりする。「メンタルを強く持っていないとダメだな」という気持ちになりました。次第にそれを楽しめるようになっていきました。

――その不安や戸惑いから、ネガティブな気持ちになることはありませんでした?

松井玲奈 最初はありました。でも今はない。……まったくないと言ったら嘘になるかも。
卒業してすぐの頃は、お仕事をしても情報解禁できないことが多くて、2~3ヶ月みなさんにお伝えできなかったので、「仕事がない」と言われたりして。
撮影のために準備をしている期間を、自分ではしっかり過ごしているつもりでも、みなさんには何もしていない状態に感じられるんだなと知ったときに、その見えない時間で準備したものを、作品のなかでしっかり出せるようにならなきゃダメだなって思いました。
あと、「何もしてない」って言われてしまうことに、耳を傾けないようにする(笑)。ここでも、強いメンタルが必要だなって思いました。

――グループの時にも、今とは違った葛藤や戸惑いがあったのでは?

松井玲奈 葛藤というよりは、自分の時間がなかったというのが一番でした。本を読みたくても読めなかったり、誰かに会いたくても会えない。スケジュールがわかるのがギリギリで、明日の仕事のために今から準備しなきゃとか、心の余裕がなかったです。
卒業してからは、自分のリズムで、いろいろな事に今まで以上に興味を持って、人に会って話したり、何かを観に行ったりできるようになったのかなと思います。