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第一章はこちら
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 「ピーマンから生まれたぱる太郎~第2章~」


「おじいさん、おばあさん、私は鬼ヶ島へ行きます!」
 
その言葉に由依じいと晴香ばあは大層驚いた。
 
だが、ぱる太郎には他の人には無い不思議な力が備わっていることを2人は感じていた。
 
自分に正直で物怖じしない性格。
この心が鬼の心をも動かせるのではないかと考えた。
 
そこで2人はぱる太郎のために、鬼ヶ島へ行く準備をしてあげた。
由依じいはぱる太郎の武器としてお手製のぱるるんステッキを作り、
晴香ばあはぱる太郎が大好きなピーマンの肉詰めを沢山作った。
 
やがて出発の時が来た。
 
「おじいさん、おばあさん、行ってまいります!」
 
ぱる太郎は元気よく出発の挨拶をした。
普段は大人しくて声が小さいぱる太郎だが、この時の声はこれまでに聞いたことの無いほどの元気で大きな声だった。
 
由依じいと晴香ばあは家の前からぱる太郎の出発を見送った。
2人にとっての今のぱる太郎の姿は嬉しいようでもあり少し寂しいようでもあった。
 
「あんなに幼くて人見知りな子が鬼退治に行くなんて想像もしていなかったねぇ。」
晴香ばあはそうつぶやいた。
 
「大丈夫、ぱる太郎はやってくれるよ。そう信じようよ、ばあさん。」
由依じいは静かにそう言った。
 
ぱる太郎の出発から数日後、
9期村では美宥というぱる太郎と同世代の女の子が、
鬼によって苦しめられた村の人々を励まそうと、
その美しい歌声で人々を魅了していた。
「ぱる太郎も美宥も若いのに頑張っている。わしらも頑張ろう!」
そう気を取り直す人々も少しずつ出始めていた。
 
第3章へ続く


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参照元
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