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 秋元氏は10年前に「会いに行けるアイドル」をコンセプトにAKB48を発足。当初は「初ライブの観客が7人」という惨状であり、同氏が手掛けて社会現象になった「おニャン子クラブ」に比べると大失敗と揶揄されていた。しかし、やがて握手券商法が大当たりしてシングルミリオンを連発。10周年を迎える今年にシングル売上3615.8万枚を達成し、歴代1位になった。

 その一方、秋元氏は数年前から「ある程度の形ができたところで卒業する」「そうしないと逆に続かない」「これはAKBの宿命」と自身の卒業をにおわせる発言をしていた。メンバーたちを前に「みんなに卒業を言われる前に僕が卒業したい」とこぼしたことも。さらにラジオ番組で「僕は60歳で引退すると思う」と具合的な時期まで明かしていた。

 また、今夏に秋元氏が同番組に出演した際には「もうやりたいことがないんだよね。それが一番の不安。なんか探さなきゃっていう焦りがある。なんかさ、俺が目指していたものってなんなんだろうなと...」と発言。AKBがトップアイドルグループに成長したことによって、目的を失っていることを示唆した。

「結成当初は秋元氏がAKBのすべてに深く関わっていましたが、最近はスポンサーの京楽や大手代理店・電通の意向が強まり、秋元氏の意見はほとんど反映されなくなった。ともにグループ創設に尽力した窪田康志氏は失脚し、芝幸太郎氏は過去の黒い交際が報じられた末に同じく影響力が低下。もはやAKBは彼らのものではなくなってしまった。時代の寵児とまでいわれた秋元氏にすれば、お神輿のような現在の立場が面白くないのは当然でしょう」(芸能関係者)

 秋元氏が卒業を口にするのも無理はないのかもしれない。一部では風貌が似ている大橋巨泉(81)のようにセミリタイアし、悠々自適の老後を送りたいのではないかとも推測されている。巨泉がセミリタイア宣言したのは56歳の時であるから、ちょうど時期的にも合致する。

 だが60歳で引退となると3年しかなく、前田らの意見が一致していた「秋元さんがいれば5年後まで安泰」という言葉と食い違いが生じる。

 「5年後」といえば東京オリンピックの開催年。秋元氏が五輪の大会組織委員会理事を務めていることから、開会式や関連イベントにAKBグループが出演すると盛んにウワサされている。当然、前田たちが「5年後」と発言したのは五輪を見据えてのものだろう。

「スポンサーや電通はAKBグループを五輪ビジネスに売り込もうと必死。しかし、秋元氏は『公私混同になる』と否定的です。それがホンネというより、自由に動かせなくなったAKBに見切りをつけて別の形で五輪に携わりたい気持ちが強まったためといわれています。60歳で引退ならAKB関連の仕事から堂々と撤退し、個人として五輪ビジネスに加われますからね。しかし年齢的にも思い切った行動には出づらいため、秋元氏は『このままなら俺が卒業するぞ』と盛んにアピールして自分の立場を回復しようとしている」(前同)

 策士の秋元氏らしく、卒業宣言も額面通りというわけではなさそう。五輪ビジネスに関連した内部の綱引き合戦が繰り広げられているようである。開会式にAKBグループが関わってくるのかどうかも含めて、今後の秋元氏の動向から目が離せない。


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